ゾーンディフェンス総論#2〜基本理論〜
#2では導入するための前提や動機について説明していきます。
なぜZDを導入するのかというと守備力向上と守備体力の軽減が挙げられます。
ZDだとお互いをカバーしているので1vs1でぶち抜かれる心配がないし、マンツーよりも走る距離が短い。
個人の守備能力が低くてもZDという戦術でもって上塗りし総合力を高められるからです。
・ZDの裏表
一般的にZDばかりやると1vs1に弱くなると言われます。
カバーがいるから手を抜いても平気かなという気持ちを生むためです。
なので、小中学生年代ではマンツーマンで徹底的に1vs1を磨くべきだと言われ、頭脳が出来上がってきた高校生年代からZDを採用しようとも言われています。
というのは嘘です。
正しいZDなら1vs1の強化と戦術理解の向上を相乗的に向上させることができます。
ボールを巡る状況はマンツーだろうがZDだろうが変わりはないからです。
どの方向に相手を導きたいか、どのプレーを相手に選択させたいかという駆け引きの上で守備は成り立っています。
なのでマンツーでもZDでも1vs1に負けないことが重要ですから、上記の一般通念は通用しません。
基本コンセプトと基本理論はTRで小出しで説明していますが、簡単に説明すると。
まず中央を閉めて相手の攻撃をサイドへ誘導します。
そこから縦を切り中へ誘導して人数をかけてボールを奪おうというものです。
とにかく選手間の距離を短く保って、ボールと自チームのゴールの間にたくさんの味方選手を置いて壁を作れば、容易にシュートを打たれないだろう、打たれても遠くからなら怖くないという考えが基本にあります。
図にすると以下のようになります。
DFラインからのビルドアップを前線からのプレスで追っていく事にはいくつか問題点があります。
体力面=90分続けられるチームは一握り
力量差=プレッシング力とビルドアップ力どちらが上回るかという話です。前から行っても軽くいなされては意味がないです。それでも行けという人はたまにいますが。
なので一旦サイドへ誘導して走る距離を短くすることが必要です。
中盤からのイメージになっていますが基本的にはどの高さでも変わらないです。
#3では中盤からのプレスを例にとって話を進めていきます。