「come」「go」と「行く」「来る」

この話は今日のTRで話したことです。

 

タイトルにある4つの単語、単体で見れば意味は変わりませんがcomeとgoのニュアンス差は日本語の「行く」「来る」の違いとは観点が異なります。

 

comeとgoは対象を焦点に据えて、

行く、来るは話者自身や動作主の現在位置(出発点)を中心に据えます。

comeやgoは話者よりも、相手側や任意の視点が置かれたところに立って述べます。

 

という点を踏まえてcomeとgo、それぞれについて解説していきます。

 

・come

▲イメージ

文意の中心に据えられた対象に向かって近づいていくことを根幹とする

近づいている対象は、話者自身の場合もあれば会話の相手である場合もある

必ずしも自分ではない

日本語訳の場合、文脈に応じて「行く」「来る」を使い分ける

例文)

He's coming.

自分のそばにいる人が会話相手のもとに行こうとしているので、文章は会話相手に立脚する。

 

・go

▲イメージ

視点から離れていく

文章の焦点となっている位置から離脱するといった感覚

そのため「家に帰る」という表現は「go home」となる

例文)

Do you come to the party at my home?

(うちでパーティーするんだけど来る?)

Sorry but I'm going home.

(悪いけど家に帰るよ)

 

「今行きます」という表現1つとっても英語では状況に応じてcomeとgoを使い分ける必要があります。

 

ここで何を伝えたいかというと、サッカーにおいてcomeの概念が非常に大事ということです。

ゴールという対象に向かっていくスポーツなので、「ボールを〜」という感覚だと、意識がボールに向いてしまってボールすらも扱えなくなってしまうんですね。

ボールというのは手段でしかなくて、目的ではないんですよ。

ボールを持っていなくても誰かとリンクしてなきゃいけませんし、ボールを持った瞬間ならなおさらです。

よくありがちなのがポゼッションで主導権を握りたくて、ボールを保持することが目的になっていることです。

本当の目的はゴールなのに、ボールを回すことが目的になってゴールに迎えていない。

そういった状態はgoの状態に近いです。

対象から離れているので。

 

comeの概念だからと言って、全てがゴールに向かえという話ではないです。

ゴールに向かえる瞬間を作るために立ち位置を取らなければいけないですし、そのために戦略や戦術を練らなければいけません。

相手がいるスポーツなので。

 

よく練習で「サッカーは移動の延長」と言うのですが、ヨーロッパとかトップレベルの選手たちだけでなく、育成年代の選手などを見ていてもボールをどのように扱おうとかそういう考えではなく、自分が、チームが移動するためにボール越しにどのように景色を見るかと言うことを大事にしているんだなと感じます。

この意識を現場で言葉にして伝えていなくとも、海の向こうに住む彼らはフットボールをそのように捉えているのだなと思います。

 

ボールに意識が向くと途端に自分の視野は下にしか向きません。

ゴールという対象を捉えて、その手段としてボールは自分のもとにやってくるので、やってきた後にどういう景色が見えているかが大事なんです。

 

(以下リンクはにダウンロードページ経由しますが見てください!)

https://d.kuku.lu/2270300708

(CL 孫興民ゴール vsドルトムント)

 

https://d.kuku.lu/18d28be028

(CL ムバッペゴール vsマンU)

 

comeの本当の意味などを踏まえてこれらのゴールを見てください。

見えてくるものがあると思います。

 

フットボールというのは日本人が作ったスポーツではないです。

イギリスの人たちが作り、南米人が発展させ、ヨーロッパ人が革命を起こしていったスポーツです。

(第1回W杯の優勝国はウルグアイ)

なので僕ら日本人は彼らの深い知見を取り入れて学んで、新たに創造していかなければいけないわけです。

5レーンとかハーフスペースなんてここ最近出てきた考えですから。

その考えをはっきりさせたのがペップがバイエルンに来た時で、バルサ時代に言う必要のなかったことをわざわざ言語化したわけです。

 

こういった考えを学ぶことはもちろん、そもそもどのようにフットボールを捉えているのかとう言うところは学ばなければいけないです。

前提が違うと、得られる結果も違ってくるので。

 

フットボールを学ぶために様々な知見を得る必要がありますが、何もフットボールに限った話ではないです。

どの分野でも同じです。

 

 

 

 

ではでは。