スペースとは何なのか?#3 ~OFの距離の正体~
OF同士の距離が選択肢というスペースを得る要素になりますが、その距離を生むためには選択肢を生む必要があります。
じゃあ選択肢とは何ぞやと。
選択肢=パスラインの有効性です。
下の図を見てください。
緑Aがボール保持者の時3つの選択肢がある中で、
それぞれのパスを通りやすくするにはどのように動くのがベターでしょうか?
まず動的トライアングルの動きで1人がマークを外して緑Aに寄って確実なパスコースを作る必要があります。
図で言うと緑Bがその役割を担ったとするとこうなります。
ここで緑のB,C,Dが1人もアクションを起こさないとパスラインが消えます。
パスラインが消える=選択肢が減るということになるので、そうなった瞬間に緑A個人の能力でプレーしなければいけなくなります。
仮に緑Aの個人能力がそこまで高くないとすると、緑Aにとっては難しいプレーを行わなければいけなくなり、技術的負荷が高くなります。
技術的負荷を減らすために寄るサポートで確実なパスラインを作る必要があります。
1人寄ったらもう1人が寄る必要はなく(トライアングルの動きと同じで寄ったら選択肢が消えてしまう)、パスを出したAもDFのズレを起こすために立ち位置を変える必要があります。
なのでこのような形になります。
緑Aが確実なパスラインを確保、Cは赤A,Cの牽制をしつつ赤Aが緑Aに付いていった時の確実なパスラインとなる、緑Dは離れる動きで赤Dとの時間を確保する。
というような形になっています。
(ゾーンDFをやってると赤Aが迂闊に緑Aに付いていけないの分かりますよね。。。)
「寄るサポートで確実なパスラインを作る」と言ってましたが、
緑Aが離れているのに確実なパスラインの役割になっていますね。
「寄るサポートで確実なパスラインを作る」という言葉に囚われて全部が全部寄るサポートを行うとDFが1人で2人守れる状況が発生します。
あくまでDFの最初のズレを起こすための第1手が寄るサポートであり、次なるズレを起こし相手のズレを拡大するためには離れてパスラインを確保する時もあるということをお忘れなく。
OFの距離は近ければ良いとか、遠ければ良いとかで完結する話ではありません。
ただ、サポートする距離によって選択肢は増えたり減ったりしますし、遠ければ遠くなるほど技術的負荷は上がるのは確かですが。。。
確実なパスラインが選択肢を生み、DFのズレを起こすきっかけになります。
この距離だからボール保持で主導権握れるとかはないですし、チームによって基準は違います。
ただ、僕はみんなの技術的負荷を低くする基準があれば、自分の能力をもっと大事なエリアで使うことができると考えているから動的トライアングルを導入しているだけです。
動的トライアングルから少しずつは派生させてますけどね。
OFの距離については以上です。
#4では#1で少し触れた「スペースを平面で捉えた場合の弊害」について解説していきます。